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2006-06-01  カテゴリ: ハプニング

怖かったバス - 賭博バス - 深圳 | 2005.12.20 |

怖かったバス - 賭博バス

深圳から東莞市の長安鎮へ出かけた時のことです。長安は東莞市と言っても深圳との境界にあって深圳の松崗のとなりになります。2005年末、春節前のことでした。
羅湖駅から高速道路を走る直通バスが30元で走っているのですが、私の住まいから羅湖駅までは時間もかかるし、乗り換えも面倒なので路線バスを乗り継いで挑戦してみることにしました。まず特区の第2ボーダーを超えた宝安へ、さらに松崗へ。ここから長安までは5kmたらず。適当なバスを探していると呼び込みがあって一番後の席に乗り込みました。大型バスとミニバスの中間の大きさのバスでした。

客を乗せいっぱいになったバスは走り出し、脇道にそれて行くと高速道路に入りました。「えっ....」長安までだと高速に入る必要はないはず。乗務員らしき人物に「長安へは行くのか?」と聞くと「行く」と答えるだけ。ちょっと胸騒ぎ。
前の方で数人がなにやらわいわい話しながら札束を見せびらかして賭け事のようなものを始めました。周りの人にも参加を勧めているようです。

バスは長安の出口を通り越してなお遠くに行くので「これはやばい!!!」と真剣に思いました。
ナイフを突きつけて一人ずつお金を出させて盗っていく、お金を出さないとほんとうに斬りつけてくる、という話は聞いたことがあるので、こういう時のために300元程度のお金を裸でポケットに入れています。

ただ今回のはこの知識とは合わない類のものです。誰が首謀者なのかメンバーなのか分からずうかつには動けません。相手の意図を見極めないと...不安がつのります。

私のとなりの「乗客」が私に前でやってる賭博が楽しそうだと話しかけてきました。私たちも参加しないかと誘ってきます。私はお金をたくさんもっていないから無理だ、と言っておきます。もしかしてこの男も仲間・・・
間もなく、前の方から札束を握りしめた男がお金をちらつかせながら「いくら賭ける」と聞いてきました(たぶん。こういう中国語は分かりませんので)。ちょっと分からない顔をしてお金を出さずに適当にやり過ごしました。となりの男が「彼はお金を持ってないようだ」と札束の男に話しています。この男もやっぱり仲間・・・
Intermission あるバレンタインデー (東莞・長安で)
情人節(バレンタインデー)で見かけた長安の町。中国でのバレンタイン・デイは男性から女性へ贈り物をします


情人節で宣伝をする結婚記念写真館の人々。長安


「賭博バス」は広深高速道路から分岐している道に入り、ゆっくりと1時間以上も北の方向に走り続け、賭博で周りの乗客から金を取っていってるようです。そして高速道路上で車を止め、乗っていた人の1/3から半分の人が降りていきました。たぶん彼らが仲間でしょう。

その後バスは訳のわからぬ村で高速道路を出てどんどん進んでいきます。大まかに事態の概要が把握できたこの時の不安が最高だったでしょう。これからどこへ連れて行かれるのか、首謀者の考えがわかりかねているだけに不安が募ります。ただ、太陽から方角を判断すると、南の方向へ行っているようなので、戻ってくれることを期待するばかりです。でもしばらく行くと根性が座ってきました。直感的にもこれ以上の被害はなさそうだと感じました。

バスに残った「やくざメンバー」の一人がみんなにどこで降りるか聞いて回りその通りの方向に進み出したので少しずつ安心してきました。
長安から5kmほどありそうなところで長安だと言って私を含め4人がおろされました。長安からけっこう離れているみたいなのはわかるので、もうちょっと行けと言おうとしたのですが、早く降りた方が無難かと思い直して指示に従いました。

降ろされた内、女性二人は電話をかけながら自分たちで「足」の手配をしているようなので、私はタクシーを待っていると、もう一人の男が有り金を全部取られた、と言って不安そうな顔をしていたので一緒に長安方面行きのバスに乗り込みました。私がバス代を2人分、計8元払いました。ちょっと高いバスです。彼にこれで帰れるかと聞くとあと20元ぐらい足らないと言います。バスでの事情を考えると全て彼の責任とも言い難く、20元を援助することにしました。財布を探ってみると人民元の小銭がないので香港ドルで20ドルをプレゼント。彼にはまだパニックが続いているのか、不安そうな表情は消えず20ドル紙幣を握りしめていました。

私はどういう賭なのかわからなかったのと、お金がないと言って適当に断ったために金銭的被害はありませんでした。彼らは強盗集団と言うよりも詐欺集団だったのでしょうか。彼らは一般人の表情をしていて怖い感じは全くしませんでしたし。

バスは行き先を書いた大きなパネルをフロントガラスのところに置いているだけで、出発後はこれを取り外しましたので、外からはバスに見えなかったはずです。乗る時、これに気づかなかったのがうかつだったかも知れません。中、長距離バスの場合、普通はフロントガラスの上部に直接行き先が書かれていますから。

とにかく無事であってほっとしました。普通なら15分で行けるところを2時間半もかかってしまいましたが。
東莞・長安
春節で出現した巨大灯籠。内部に電灯が入っていて夜に点灯されます。


一般的な中距離バス車内。東莞←→深圳・宝安の路線バス。長安→宝安、9元。


怖かったバス - 賭博バス
終わり
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