雑感 - 香港人【3】 コンサートで

香港の尖沙咀のスター・フェリー乗り場に近い所に香港文化中心(cultural Centre)(Centreはイギリス綴り)という所がありますが、ここでコンサートのほか、コンサートのパンフレットを置きチケット販売をしています。
香港の藍田に住んでいた時は時々ここへ来てコンサートの情報を得たりチケットを買ったりしていました。日本に比べて安い価格だったので買いやすいこともあります。

で、ある時オーケストラのコンサートに出かけました。この日は香港管弦楽団による演奏でメインはベートーベンの第7交響曲。私はベートーベンが好きなので日本でもよく聞きましたし、香港でもCDのベートーベン交響曲全集を買ったりして聞いていました。で、このコンサートを見つけた時すぐチケットを買ったのです。第2楽章がすごく綺麗な曲です。コンサートは香港島の香港大会堂(City Hall)で。

そしてコンサート当日、初めての香港でのコンサートにひとりで出かけました。
メンバーには白人も多く見受けられました。7番が始まって第2楽章。『よし、そこで少し粘って..』とか少しひとりで興奮気味。『そこで粘って・・・ ん、ん、え・・・?』とすらーっとあっさり通り過ぎてしまいました。

全体的にあっさりした演奏でした。譜面をそのままなぞって終わってしまったような...
この演奏は指揮者の要求なのでしょうか、それとも国民性?
私としては感情の伝わってこない、満足のいかない演奏だったわけですが、これも音楽の解釈とか、生まれ育った環境による感情の違いなのか...
正直な所、伝わってきた感情は、演奏者たちが仕事で演奏した、みたいな...

演奏が終わり、みんな会場のロビーへ出て行くのを待って一番最後にロビーへ。
「??」
なんと、演奏者たちがすでに帰り支度でめいめい楽器を持って帰るのとばったり出会ってしまいました。やっぱりあっさりした国民性なのかな。
日本にいた頃はオーケストラやコンサートなどに関わったこともあるので軽いカルチャーショックでした。

香港人のバーベキューパーティーに誘われて行ったことがありますが、大騒ぎしていたかと思うと急に静かになって食事タイムに入り、食事が終わって騒ぎ始めたころ、これで帰る、と言ってさっさと帰る人もいます。周りの人も気にするでもなくマイペース。
これなんかもあっさりしているというのかも知れません。日本とは違うでしょうけど私にはこういうの気楽です。

いろいろありながらもこうして記念すべき香港での第1回目のコンサートは終わりました。でも、火がついたのかこれ以後、何度も出かけるようになりました。

(いろいろ書きましたが、香港人を揶揄しているわけではありません。私の大切な友人たちです。念のため。)