雑感 - 香港人【4】  バスで・・財布を落とした・・

香港に来て、バスの乗り方に慣れて頻繁に使い始めました。地下鉄も便利でいいのですが、周りの景色が見えないためなのか、少々圧迫感を感じるのでバスをよく利用しました。バスの2階の開放感がうれしいですね。
普段着にはジーンズをよく使用してました。このジーンズのおしりのポケットなのですが、日本製、または日本で販売されているジーンズの尻ポケットはかなり浅いのです。香港でジーンズを買うとかなり深くて財布などを入れておいてもポケットの中に入り込みます。

とある日、日本製のジーンズでバスに乗り込みました。停車駅が来て席を立ち出口へ向かうと後から「ウォー!」とうなるような声。広東語なので意味が分からず振り返って見ると、初老の乗客たちが私に目で座席の方を指します。見ると私の座っていた席に財布が....
ジーンズの尻ポケットに入れておいたのですが、ポケットが浅いためでてしまったようです。『あ、助かった』と思い感謝して財布をとりに座席へ。

買い物はキャッシュカードで決済することが多いので、財布に現金はあまり入っていないのですが、身分証、銀行カードなどが入っていて落とせばかなり面倒なことになる所でした。いろいろな日本人に香港はぶっそうだとか聞かされていたので、この時はうれしく思いました。

今は香港人の住居付近ではそんなに気を遣いませんが、尖沙咀などの観光地に行くと気が張りつめ治安に敏感になります。日本でもどこでもそうなのでしょうが不特定多数の人が集まる所は危険があるように感じてしまうのです。深圳なら東門市場、華強路というところですね。何か被害にあったというわけではないのですが。


初めて中国(深圳)を訪れてからもう14年、当時の面影はもうどこにもないくらいに変わりました。建物も服装も全く変わりました。
結局治安とか安全というものは、貧しさ豊かさでも大きく変わるものなのでしょう。
「衣食足りて礼節を知る」の意味がよく分かります。日本でも敗戦直後にヤミ米を食べなければ生きていけなかったと親から時々聞かされてました。「ギブ・ミー・チョコレート」、礼節もあったものではありません。ヨーロッパにしてもコショウとか香辛料を買うお金を得るために同民族を奴隷として売ったと言います。やっぱりどこの国でも似たような経過をたどるのかも知れません。


裕福な香港人仲間達
香港は共稼ぎが基本で給料に男女の区別はありませんから、2人分合わせるとおそらく日本の専業主婦家庭に比べて裕福です。その余裕が財布を落としたことを教えてくれるのでしょう。中国(深圳)も同じ。

もう何年も前、香港人に「日本の街は綺麗のに深圳はどうして汚いと思うか」と聞かれて「まだ貧しいから。10年もしたら綺麗になるよ」と答えました。10年も必要なかったみたいですね、今は急速に綺麗になってます。
最近は中国人と食事を一緒にしたりすると時々おごってくれたりします。14年前ではとても考えられなかった出来事です。
礼節を持つためにはある程度の豊かさが必要ですね。